蜜菓子について
お菓子には様々な種類があります。身近なものから、食べたことのないようなものまであります。洋菓子、和菓子、私たちを心から楽しませてくれる食べ物です。
今回ご紹介するのは、蜜菓子です。蜜菓子、聞いたことがあるでしょうか。蜜菓子とは、野菜を砂糖漬け(蜜漬け)にしたものを言います。日本古来より伝わる製法で、食材を保存する為にこのような製法を用いたとされています。しかし、単に砂糖漬けにしているわけではなく、野菜によって手間の掛け方も違い、食感もそれぞれ残っています。現代では需要が減ってきていますが、その伝統的なお菓子を製造しているお店が石川県金沢市にあります。
菜菓匠奈加川
所在地
〒920-0831
石川県金沢市東山1丁目1-15
TEL&FAX 076-254-1158
営業時間 10:00~17:00頃
定休日 毎週火曜日(祝日の場合は営業)
金沢では昔から野菜処と言われてきました。加賀野菜、能登野菜があり、四季折々で、作られる野菜が異なります。その野菜のおいしさを蜜によって閉じ込めます。色までも鮮やかに残ります。蜜菓子でしか味わえない野菜のよさがここのお店にはあります。では実際にどのような野菜が蜜菓子になっているのでしょうか。いくつかご紹介します。
<加賀太きゅうり(5月~11月頃)>
キュウリがお菓子になっているのはめずらしいですが、逆にいえば「漬」という表現はしっくりくるのではないでしょうか。きゅうりのみずみずしさもどこか残しているので、苦手な方も食べられるお菓子です。
<とうもろこし>
太陽の光をいっぱいもう浴びたとうもろこしは、甘みが強く大粒です。とうもろこしの甘みがあるため、他の蜜菓子よりは甘さが控えめです。とうもろこしは特にお子さんには人気で、優しい甘さが口いっぱいに広がります。
<たけのこ(5月~6月)>
金沢の新鮮な筍はエグ味が少なく、食べやすいです。春を感じられる大人な味わいです。甘すぎるわけではなく、たけのこの歯触り、味ともにしっかりと感じられます。
<金沢春菊(11月~翌年2月頃)>
加賀野菜の春菊で、柔らかく生でも食べられます。その春菊を乾燥させ、春菊ならではの香りを閉じ込めています。パリパリとした食感が楽しく、野菜そのものの良さを感じることができます。
<セロリ>
くせのある野菜で好き嫌いが分かれるかと思いますが、蜜菓子になるとそのくせがあまり感じられず、みずみずしさが非常にあります。セロリが苦手な人でも「これなら食べられる」という方も多いはずです。独特の歯触りも残っていて、おいしいお菓子です。
<源助だいこん(11月~翌年2月頃)>
石川県の特産品である源助だいこんです。やわらかな肉質が特徴です。その大根を蜜菓子にすると、食感はふわっとして不思議です。甘さとだいこんの香りが口に広がると、やみつきになります。
季節に応じて
色々な種類の野菜が蜜菓子になっていましたね。野菜は旬があります。このお店では旬に応じて商品を製造しており、大量生産もしていません。その時で本当においしい蜜菓子を食べることができます。いつでも食べられないという感覚も貴重でいいですね。
日本伝統の蜜菓子。販売されているところが限られています。野菜が苦手な人もチャレンジしてみてはいかがでしょうか。克服できるかもしれません。