ピーマンが未熟な状態で収穫された野菜であるのとは対照的に、パプリカはカラフルで肉厚の完熟したトウガラシ科の野菜です。色も、ピーマンとは異なり赤、黄、オレンジと色とりどりで様々な料理に彩のアクセントとして使われています。しかしパプリカはその色だけでなく、それぞれに異なった栄養を含む、素晴らしい野菜なのです。
目次
パプリカに含まれる栄養素と健康効果
まず赤パプリカですが、カプサイシンと呼ばれる赤い色素が重要になってきます。これは赤唐辛子にも含まれている成分で、抗酸化物質で知られているβ-カロテンよりも高い抗酸化作用があると言われています。身体の中の不要なコレステロールを取り除く働きがあるため、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果が期待できます。また、新陳代謝を活発にする作用があるため、冷え性や疲れやすい方の疲労回復にもオススメです。
一方オレンジパプリカは、シミやソバカスを防ぎ、美白へと導く役割を果たすビタミンC、肌の老化を防ぐルテインが豊富に含まれています。
また、両方のパプリカにはβカロテンが共通して含まれています。βカロテンには抗酸化物質も含まれています。私たちの身体の中には「活性酸素」と呼ばれる物質が存在しており、この「活性酸素」は、身体の中に侵入してきた細菌やウィルスを除去する重要な役割を果たしている物質ですが、必要以上に量が増えることによってシワやたるみなどの老化の原因となってしまいます。それだけではなく、がんや糖尿病、高血圧などの生活習慣病の原因にもなることで、その害について注目されています。βカロテンはこれらのすべての病気に対し、力強い効果を発揮します。
野菜ならではの食物繊維も豊富です。食物繊維には、腸の掃除役として便秘の解消に大きな効能があります。食物繊維は水分を含むとかさを増すので満腹感の維持にも効果があり、ダイエット中の人にもおすすめです。さらに糖やコレステロール値を抑える効能もあるので、生活習慣病の予防や改善にも役立つと期待されます。
パプリカを使ったベジスイーツ
このように非常に多くの魅力を持つパプリカですが、どうしても料理のアクセントとして副材料的に用いられがちです。そこで本記事ではパプリカをメインで楽しんでいただけるベジスイーツレシピをご紹介します。
オレンジパプリカのヨーグルトプリン
[材料]
パプリカ…1/2個
ヨーグルト…200ml
粉ゼラチン…5g
カラメルソース…適宜
[作り方]
1.ゼラチンをぬるま湯で溶かす。
2.ボウルに1とヨーグルトを加えて混ぜる。
3.半分に切って種やへたをとったパプリカをトースターで焼き、皮をむく。包丁でみじん切りにするか、フードプロセッサーで撹拌する。
4.2に3を入れてさっくりと混ぜ合わせる。プリンカップなどの器に注ぎ、冷蔵庫で2時間ほど放置し、固めて完成。
[注意]
3の工程をふむことで、パプリカの甘みが増します。
オレンジパプリカの鮮やかな色がオレンジの果実を思わせる、見た目にも楽しいデザートです。工程が非常に簡単ですので、忙しい主婦の方でも気軽に作っていただけます。野菜が苦手なお子様にも問題なく食べていただけるのではないでしょうか。この機会にぜひご家庭でもお試しください。
免疫力を高めてくれる健康野菜、かぶ
かぶは優しい甘みと柔らかい触感が魅力の野菜です。白い根の部分は淡色野菜、葉の部分は緑黄色野菜に分類でき、それぞれが異なる栄養素と健康効果を持っており、様々なレシピにアレンジが効くことから、日本の家庭ではとても重宝されている野菜の一つです。
かぶの根に含まれる栄養成分と健康効果
かぶにの根にはアミラーゼ(ジアスターゼ)と呼ばれる消化酵素が含まれています。アミラーゼは消化酵素の一種で、でんぷんなどの栄養を分解して消化を高める働きがあります。そのため、かぶの根には胃や腸の働きを整える効能、胃もたれ、胸焼けを解消する効果が期待できます。
また、グルコシノレートと呼ばれる栄養成分にも注目です。グルコシノレートとは、辛味のもととなる栄養成分で、かぶや大根などアブラナ科の植物に含まれています。かぶに含まれているグルコシノレートには、血栓を予防する効能や肝臓の解毒作用などがあります。
他にもある程度の量のビタミンCが含まれているため、風邪予防などの効果が期待できます。冬にかぶがよく食べられるのはこういった理由があるからなのですね。
かぶの葉に含まれる栄養成分と健康効果
かぶの葉も、実は非常に多くの栄養素が含まれているのです。
ビタミンA、B1、B2、C、ミネラルのカルシウムや鉄、さらに食物繊維もたっぷりと、根の部分に負けないくらい多くの成分が含まれています。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康を保ち、抵抗力を強化します。ビタミンB1とビタミンB2は糖質、脂質の代謝に体を元気にし、ビタミンCには美肌や免疫強化をはじめ、ビタミンAと合わせての高い抗酸化力が期待できます。かぶの葉に含まれるビタミン類はなんと、あの青汁で有名なケールよりも含有量が多いという調査結果も出ています。一方、ミネラルのカルシウム・鉄は骨の強化と貧血予防に効果があり、食物繊維には便通を良くして体内の有害物やコレステロールを排出する働きがあります。
かぶを使ったスイーツで免疫力アップ
このように非常に多くの栄養素を含むかぶですが、家庭では特に冬に食卓に登場することが多く、それ以外の季節はあまり目にする機会がないのが残念な点です。そこで本記事では最近話題のベジスイーツに注目し、かぶをレアチーズの中に混ぜ込むことにより、季節に関係なく食べやすいデザートに仕上げました。
かぶのレアチーズ
[材料] カップ8個分
カブ…中1個
クリームチーズ…200g
生クリーム…200㏄
ゼラチン…15g
砂糖…150g
アガー…5g
レモン汁、皮…適量
[事前準備]
1.クリームチーズを常温に戻してやわらかくしておく。
2.ゼラチンを水でふやかしておく。
[作り方]
1.株を鍋に入れ、ひたひたになるまで水を注ぎ、やわらかくなるまで煮る。
2.1をゆで汁ごとミキサーにかけ、ストレーナーなどで裏ごしする。
3.ボウルにやわらかくしておいたクリームチーズを入れ、ポマード状になるように混ぜる。
4.3に生クリーム、砂糖、アガー、レモン汁を入れある程度混ぜたら、2で裏ごししたカブを入れよく混ぜ合わせる。
5.4にふやかしておいたゼラチンを入れ、カップに注ぎ入れ冷蔵庫で3時間冷やして完成。
[注意]
*お好みでリンゴなどのフルーツのシロップ煮を乗せてもよいでしょう。
この機会にぜひお試し下さい。